雪の大谷ツアー
今年のゴールデンウイーク富山県・立山室堂平の「雪の大谷ツアー」に参加した。本ツアーのメインは、もちろん「雪の大谷ウォーク」。雪の壁の高さは最深部で13メートル。これでも昨今の地球温暖化の影響か?雪の深さは昔に比べると低くなっているようです。
しかし、私の本ツアーのメインはライチョウ探し。12年前に富山に住んでいて頃に何度か立山を訪れたことがあり、その時出会ったライチョウの愛らしさが忘れられずまた会いたくなったのです。
ライチョウ探して雪原へ
このツアーのグループから完全に離れて、単独行動。
最近、立山室堂周辺も観光客が押し寄せ、人が歩いた跡で雪原はでこぼこ。でこぼこの雪に足を取られながらライチョウの姿を求めて歩き回りました。
ライチョウなんてそんな簡単に見つかるの?と思われるかもしれませんが、案外簡単に見つかります。
ここ立山室堂周辺では約300羽ぐらい生息していると言われています。ライチョウはハイマツの林を隠れ家に縄張りを形成して生活しています。ライチョウは暑さが苦手。そのため夏場になるとハイマツの林の中で暑さを避けていたりします。そのため5月から6月ぐらいの比較的涼しい時期が遭遇確率が高いと言われています。
ライチョウとは
ライチョウは、日本では日本アルプスなどの高山帯に棲む鳥というイメージですが、海外では必ずしも高山帯を生息域にしているというわけではないようです。日本に生息するライチョウは、元々は氷河期に南下してきた個体が氷河期が終わりそのまま取り残されて高山帯の環境に適応。今日に至っています。
1、概要
- 分類:キジ目、キジ科、ライチョウ属
- 学名:Lagopus muta japonica (英名:Ptarmigan)
- その他:1923年(大正12年)特別天然記念物に指定。1993年環境省第4次レッドリスト(絶滅危惧種IB類)に指定
2、分布・個体数
- 日本のライチョウは、北半球北部に広く分布する種ライチョウ(Lagopus muta)の中で、分布の最南端に隔離分布する亜種
- 高山帯に隔離分布しており、現在の分布域は頸城山塊、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプス。
- 1980年代には約3,000羽と推定されたが、2000年代には2,000羽弱に減少したと推定されている(信州大学)
3、形態的特徴及び生物学的特性
- 成熟個体で全長37cm
- 夏羽は白・黒・茶の斑模様で、冬羽は尾を除き全身白色となる
- メスは6月にハイマツなどの根元など地上に窪みを作って営巣。6卵ほど産卵する
- 主な食物は高山植物の芽、種子など植物質。春から夏には昆虫類なども食べる
- 遺伝子解析から、5つの遺伝集団(頸城山塊、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山、南アルプス)に分かれていると考えられている(信州大学ほか)
4、好適な生息地
- 主に本州中部の標高2,200~2,400m以上の高山帯(ハイマツ林帯や岩石帯)で繁殖し、冬期には亜高山帯にも降りて生活する
5、生息を脅かす要因
- 捕食者となり得る種の分布拡大による影響(キツネ、カラス等)
- 従来生息していなかった種(ニホンジカ、ニホンザル等)が侵入し、高山植生が採食されることによる生息環境の劣化
- 山岳環境の汚染に起因する感染症の原因菌等の侵入
- 登山客等の増加に伴う生息環境の破壊
- 地球温暖化など気候変動による営巣環境・植生等への影響
ライチョウとの邂逅
荒れた雪原を歩きまわること10分。みくりが池近くのハイマツの林の中にライチョウの姿を見つけました。12年ぶりにライチョウと感動の再会が実現しました!
12年に撮影したライチョウ(オス)の動画
あまり人を怖がらないため時々こちらに寄ってきたりします。
ライチョウ観察時の注意点
以上の点に注意していつまでも豊な自然、生態系を守っていきましょう!